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脂肪酸は臭う、エステルは香る;体臭・加齢臭は脂肪酸類から 高ヒット
2016-4-21 15:09 投稿者: Monjyu (記事一覧) [ 902hit ]
皮膚の常在菌がかもし出す体臭・加齢臭。 
   暖かくなり、様々な花が開花する季節は、体臭が気になり出す季節でもあります。私達が発する体臭・加齢臭は、皮膚の常在菌の仕業です。皮膚の常在菌(細菌や真菌)も生きていくためには栄養が必要のため、汗の中のタンパク質や皮脂の脂肪などを分解、利用しています。その結果、アミン類や脂肪酸類が産生され、体臭・加齢臭の原因になっています。
 
   脂肪が分解してできる脂肪酸は、炭素の数により、短鎖脂肪酸(炭素数が7以下)、中鎖脂肪酸(炭素数が8~10程度)、長鎖脂肪酸(炭素数が12以上)に分類されたりします(厳密な定義はありません)。炭素数が10あるいは12以上のものを高級脂肪酸ということもあります。短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は、低分子のため揮発しやすく、不快な臭いがします。これはたぶん、脂肪から分解した脂肪酸が腐敗したものの中には多いため、腐敗物を避けるための太古の知恵、嗅覚遺伝子の獲得結果だと思われます。
 
   この不快な臭いがする脂肪酸も、エステル化するとフル−テイ−な良い香りになります。エステル化とは、脂肪酸のカルボキシル基(COOH)とアルコ−ルの水酸基(OH)が縮合反応を起こし、水がとれ、-COO-というエステル結合ができることです。たとえば、酪酸(炭素数4)は汗臭い、獣臭がしますが、酪酸エチルになるとパイナップルの香りになります。吉草酸は蒸れた靴下の臭い、獣臭がしますが、吉草酸プロピルになるとリンゴの香りです。カプロン酸(炭素数6)のすえた臭い、ヤギ臭は、カプロン酸エチルになるとフル−テイ−な香りに変わります。洗濯物の生乾きの嫌な臭いのもとである中鎖脂肪酸のカプリル酸(炭素数8)やカプリン酸(炭素10)も、エステル化によりフル−テイ−な香りに変化します。実際、果物は完熟すると、エステル化合物を多量に発散しますし、日本酒も炭素数14以下の脂肪酸エステルの宝庫です。
 
   実は体臭・加齢臭のもとになる脂肪酸類も、短鎖および中鎖脂肪酸類です。図に代表的な体臭・加齢臭の例を載せましたが、頭皮、口腔、体躯、足などで特徴的な脂肪酸類が発せられています。これは体の部位により常在菌の種類が異なったり、分泌される皮脂の種類が違うためだと思われます。ヒトにとって不快な脂肪酸臭も、常在菌にとっては生きる糧ですし、おそらく何百万年にもわたるヒトと常在菌との、お互いにメリットのある共生の結果ですから、少し大目に見てあげる必要があるかもしれません。とはいえ体臭の気になる季節、身体を清潔にして、場合によっては消臭剤や芳香剤も良いかもしれません。将来的には皮膚で脂肪酸を直接エステル化する錠剤、貼付剤などができるかもしれません。不快な臭いのおじ様が、貼付剤でフル−テイ−な香りのおじ様に変身です。えっ、かえって不気味ですか!?(by Mashi)
エステル化できれば体臭でなく体香になる?
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